「前に見たときより、パソコンが高くなっている気がする」
そう感じたことはないでしょうか。それはあなたの気のせいではありません。2025年後半から2026年にかけて、新品パソコンの価格は実際に大きく上がっています。
原因は、パソコンの中に入っている「メモリ」という部品の価格が急騰しているからです。
この記事では、なぜメモリが高騰しているのか、いつまで続くのか、そしてこの状況で賢くパソコンを手に入れる方法を解説します。
今、新品パソコンの価格に何が起きているか
まず、実際にどれくらい価格が上がっているのかを確認しましょう。
PC専門メディアのPC Watchの調査では、DDR5規格のメモリ(現在の新品パソコンに使われている主流の規格)の価格が、2025年11月から2026年1月にかけて約5.3倍に値上がりしたと報告されています。以前は2万円前後で購入できた16GB×2枚のメモリセットが、2026年に入ると11万円を超えるケースが続出しました。

メモリはパソコンの部品の中でも製造コストへの影響が大きいパーツです。この価格高騰が、そのままパソコン本体の値上がりに転嫁されています。2026年のメモリ高騰によって、新品パソコンは実質2〜4万円値上がりしているという分析もあります。
なぜメモリがこんなに高くなったのか

原因を一言で言うと、「AIの普及が、私たちのパソコン向けのメモリを奪っている」からです。
ChatGPTやClaudeをはじめとするAIツールの普及に伴い、世界中でAIを動かすための巨大なデータセンターが急増しています。こうした施設には、通常のパソコンとは比べ物にならない量のメモリが必要です。
問題は、メモリを製造するメーカー各社が、利益率の高いAIサーバー向けの高性能メモリ(HBM3、HBM4など)の生産を優先し始めたことです。工場の生産ラインは有限なので、AIサーバー向けの生産を増やせば、私たちが使う一般向けのメモリ(DDR4、DDR5)の生産が後回しになります。
その結果、一般向けメモリの供給が逼迫し、価格が急騰するという構造が生まれています。
いつまで続くのか
「少し待てば価格が落ち着くのでは?」と思う方も多いでしょう。ただ、現状を見る限り、すぐには落ち着かない見通しです。
新しいメモリ工場の本格稼働は早くても2027年以降と予測されており、最長で2028年まで高止まりが続く可能性があるとも言われています。また、AIインフラへの投資は2026年がピークとされており、年内はAI向けのメモリ需要が落ちる気配はありません。
「来年になれば安くなるだろう」という期待は、現時点では楽観的すぎる見通しと言わざるを得ません。
なぜ中古PCはこの影響を受けにくいのか

ここが、この記事で最も伝えたいことです。
新品パソコンの値上がりは、「これから製造するパソコンにかかるコスト」が上がっているために起きています。言い換えると、すでに製造済みの中古パソコンは、今後のメモリ価格高騰の影響をほぼ受けません。
中古パソコン専門ショップのQualitでも「メモリの高騰による価格の見直し予定は無い」と表明が出ています。
中古パソコンに搭載されているメモリは、高騰が始まる前に製造・搭載されたものです。そのパソコンを今から中古市場で買っても、買い手が払う金額は「今の新品製造コスト」ではなく「その中古品の中古市場価格」で決まります。
つまり、新品との価格差が2026年の今、さらに広がっているということです。
2026年に中古PCを選ぶ具体的なメリット

メリット1: 同スペックを新品よりずっと安く買える
私は2025年8月に、Qualitというショップで「MSI Stealth 16 Studio」という中古ノートを13万円弱で購入しました。メモリは32GB、動画編集にもゲームにも十分なスペックです。
この機種の後継モデルを新品で購入しようとすると、同等スペックで28万円以上になります。たとえメモリ高騰前だったとしても、中古と新品では大きな差がありました。2026年の今、その差はさらに広がっています。
もちろん、最新世代のCPUが欲しい、最新の機能が必要、という方には新品が適しています。ですが「ブログを書く」「動画編集をする」「副業を始める」といった用途であれば、2〜3世代前の中古パソコンで十分対応できます。そのスペックが、今なら5〜7万円台で手に入ります。
メリット2: 副業への初期投資ハードルが下がる
副業を始めるとき、パソコンへの初期投資は悩みどころです。
ブログ、Webライター、動画編集、プログラミング学習。やりたいことはあるのに、新品パソコンが15〜20万円となると、始める前から腰が引けてしまいます。「失敗したら高い買い物だった」というプレッシャーを抱えながらスタートするのは、精神的にも辛い。
中古パソコンなら、その初期投資を5〜7万円台に抑えられます。この差は、副業を「試しに始めてみる」か「始める前から諦める」かの分岐点になりうる金額です。
メリット3: メモリ高騰の影響が中古市場には波及しにくい
新品の値上がり幅に比べると、中古市場の価格変動は緩やかです。理由は、中古市場に流通するパソコンは、メモリが高騰する前に購入されたパソコンがほとんどだからです。
ただし、メモリ高騰の影響は中古パソコンにも出始めています。今後は中古パソコンの需要が更に高まり、それに伴って価格の上昇が予想されるでしょう。
中古パソコンの購入を検討している方は、早めの購入がおすすめです。
中古PCを選ぶ際の注意点
良いことばかり書いて終わりにするのは不誠実なので、正直にお伝えします。
中古パソコンにはリスクもあります。最大のリスクは、品質管理が不十分なショップで購入した場合、想定外のトラブルが起きる可能性があることです。
ただし、これはショップ選びで大部分を回避できます。
私がQualitを選んだ理由のひとつが、業界内でも品質管理が厳格で知られていたからです。横河レンタ・リースという大手法人が運営していること、12ヶ月の保証が付いていること。この2点が「中古でも安心して買える」という判断の根拠になりました。
購入から1年弱が経った今も、トラブルはゼロです。
中古パソコンに不安を感じる方に伝えたいのは、「中古だから壊れやすい」という不安の多くは、ちゃんとしたショップで整備された個体を選べば解消されるということです。


まとめ: 「待てば安くなる」より「今の中古で動き出す」
メモリ高騰がいつまで続くかは、誰にも正確には分かりません。ただ、少なくとも2026年中に劇的に落ち着く兆候は今のところ見えていません。
「価格が落ち着いてから買おう」と待ち続けている間も、やりたいことはそのまま宙ぶらりんになります。副業を始めたいなら、スキルを身につけたいなら、ゲームを楽しみたいなら、その時間は取り戻せません。
新品の価格高騰が続く今だからこそ、中古という選択肢の相対的な価値は上がっています。
「中古は妥協」ではなく、「新品が高くなりすぎた今、中古は賢い選択」という時代になっています。
